(公社)日本バレエ協会関西支部
2020-08-19

バレリーナである前に、すてきなレディでありますように! Vol. 1 3

先の定例役員会では、来年の芸術劇場開催を、出演者、観客、そしてスタッフの安全第一を考慮
して、中止の決定をしました。新型コロナウィルス感染拡大防止 のために バレエ上演の機会がぐっと減少している今、みなさんの劇場運営への 興味は尽きないと思います。

ニューヨークのブロードウェイは5月、 9月に上演再開としていましたが、6月さらに閉鎖を延期し、 来年1月までは興行中止と再発表しました。

ヨーロッパではどうでしょうか。

ベルリン国立歌劇場バレエ団は 3 月末、 70 名のダンサーに 1.5 × 2m のバレエマットを配布し
各自宅でのオンラインレッスンを実施しました。5月 13 日からはバレエ学校で 6m の距離をもつことと消毒を条件に、 91 名のダンサーたちが朝の10 時から 18 時まで 6 人から 9 人の少人数に分けられ、レッスンを再開。(Hygine Concept衛生 概念)を掲げて、静かに息をして、精神的なバランスも考慮しての上です。9月3 日から新シーズンが始まりますが、それはこの孤立した期間 の 9 名 のダンサーによる振付作品の上演、またガラコンサートとして「ベルリンから愛をこめて」と題した公演も予定されているようです。前芸術監督のサシャ・ヴァルツは「古典もコンテンポラリーも集団で接触を伴いますが、これをどうしてなくすことができるでしょう」と。

(イベント会社オーナー C. ムールバウアー による)

バリ・オペラ座もダンサーたちは自宅待機を余儀なくされました。6月半ばにはレッスンが再開されたようですが、今はヴァカンス中。新型コロナ による 劇場閉鎖のため1 2 月に バスチーユ・オペラで「ラ・バヤデール」が予定されている他、ガルニエ宮の 1 月は Peeping Tom と Sadeh Naharin の 2 つのカンパニーの客演とさみしいかぎり。
コロナによる財政難も深刻とのこと。(元コンセルヴァトワール教授J. ストラ による)元エトワールのシリル・アタナソフ氏は「世界中のダンサーにとっての大災難」と嘆いておられます。

スロベニア国立バレエ団でもダンサー、職員は 3 月末から自宅隔離、やっと 6 月初め、劇場にテレビ局を入れて、無観客でガラコンサートを実施しました。その後も、過去の作品を再放送の形で放映しています。
6月半ばには、 120 人の限定観客で「華麗なるギャッツビー」の再演を 4 公演実施しました。
9月新シーズンには 4 月に初演予定だったジョゼ・マルティネス振付の「海賊」が決まり、 8 月初めから活動が始まりましたが、 5 、 6 月と感染者ゼロが 続いていたのに、 7 月後半から感染者数が増加しているため、具体的な 9 月の予定発表はないとのことです。(リュブヤナ国立バレエ団ソリスト K. ヤマモト による)

この時期だからこそ、人に勇気を与えるバレエ芸術を何としても継続して舞台上演を実施したいという強い思いが伝わってきます。COVID-19 との共存がうたわれだした今、 各地で新しい上演方法が確立され、観る人を魅了することができるようになることを祈っています。

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