バレリーナである前に、すてきなレディでありますように!Vol.36
芸術劇場の2つ目の演目は「ラ・シルフィード」。
スコットランドを舞台に、シルフィード(妖精)と青年の結ばれぬ恋を描いた作品。
1832年パリ・オペラ座でフィリッポ・タリオーニが愛娘マリー・タリオーニのために振付上演。その後、ピエール・ラコットに1972年蘇演され、オペラ座のレパートリーになっています。
いっぽう、マリー・タリオーニ出演のこの作品を観て大きな影響を受けた、オーギュスト・ブルノンヴィルが自国デンマークで1836年に初演し、今では2つの版が継承されています。ラコット版音楽はジャン=マドレーヌ・シュナイツホーファー、ブルノンヴィル版はヘルマン・レーヴェンスヨルド。
筆者は1976年某世界バレエフェスティバルのガラ・コンサートでイタリアの名花カルラ・フラッチとパオロ・ボルトルッツィの「ラ・シルフィード」パ・ド・ドゥを初めて鑑賞、回転や高いジャンプが強調されるパ・ド・ドゥとは違う新鮮な印象を受けたことを覚えています。
その後1980年ブラジル国際ダンスフェスティバルに招かれた際、パオロ・ボルトルッツイ氏も招かれ、リオ・デジャネイロ、ブラジリアで恐れ多くも同じ舞台に立たせていただいた際、パオロに「あなたの『ラ・シルフィード』を観ました」と話すと「ぼくあの衣裳大嫌いなんだ!!」と返事が返ってきたのが意外でした。
世界中で継承され続けている作品に臨む芸術劇場、いまからご予定に入れてくださいね。
小西裕紀子
参考文献
世界文化社『名作バレエ70鑑賞入門』 渡辺真弓
新書館『バレエ誕生』 鈴木晶
※『バレリーナである前に、すてきなレディでありますように』は協会員、また、その生徒の皆様が、すてきな(女性)レディ、(男性)ジェントルマンと周りから認められるような振る舞いや情報を、様々な角度からご紹介するコーナーです。