(公社)日本バレエ協会関西支部
2021-04-26

バレリーナである前に、すてきなレディでありますようにvol.18

2022年バレエ芸術劇場の2つめの演目の「パキータ」のお話。

初演は1846年パリ・オペラ座でジョセフ・マジリエの振付で上演されました。
踊り手として頭角を現していたマリウス・プティパが、1847年サンクトペテルブルクでマジリエの「パキータ」でデビューします。

1882年ミンクスに作曲を依頼して「グラン・パ」と「マズルカ」を加えたプティパ版を仕立て成功します。
その後、ロシアでは革命を経て全幕上演は途絶え、「グラン・パ」の部分のみが上演されることとなります。
現在バレエ・コンサートなどで上演される「パキータ」は、主役のパキータとフランス人将校リュシアンの結婚式の宴の場でくりひろげられる、ディベルティスマンなのです。
ちなみに2000年代、ヨーロッパでは全幕版復活の動きがさかんになり、2001年パリ・オペラ座ではピエール・ラコット版が上演されています。

この度振付を担当される法村圭緒先生にお話を伺いました。

残念ながら現在、全幕で鑑賞できる機会はそれほど多くありません。しかし近年、過去に上演されていた作品を、舞踊譜を読み起こし、復活させる動きがあります。それは喜ばしい反面、「なぜその作品が衰退したか」に気づかされる事もあります。そんな作品の存在を知ることは、これからの若い人たちには必要です。
「パキータ」では、卓越したクラシックバレエ技術に加え、民族舞踊的な独特な手足の動きが要求されます。脚の強さ、上体のしなやかさ、表現力など審査項目はいくつもありますが、一番大切なのは、舞台に立つことをイメージできているかどうかです。今回の「パキータ」はストーリーのないグラン・パ形式ですが、それは全幕と何ら変わりはありません。たとえ群舞であっても、皆さん一人一人が輝いてくれることでソリストがいっそう輝くことが出来るのです。
バレエの経験は舞台でしか得られません。とにかく、たくさん舞台に立ちましょう。たくさんのお客様に観てもらいましょう。一度きりの舞台にはなりますが、共に戦ってくださる方々のご参加をお待ちしております。

みなさまのオーディションご参加をお待ちしています。

参考文献
新書館「バレエ誕生」鈴木晶、青林堂「魅惑のバレエの世界」渡辺真弓

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