第52回バレエ芸術劇場 「ラ・シルフィード」「卒業舞踏会」の感想をお届けします
第52回バレエ芸術劇場 「ラ・シルフィード」「卒業舞踏会」の振付家ならびに出演者の感想をお届けします
【 振付指導 早川惠美子 】
第52回バレエ芸術劇場に「卒業舞踏会」を上演する機会を与えていただきありがとうございました。
バレエ協会本部で長年この作品の振付指導をしてきた私及びバレエミストレスの竹内にとってこの作品の緻密に計算された演出、音楽性、エンターテイメント性の素晴らしさを継承してゆくことに誇りを感じております。
今回、関西支部での上演は2回目となりますがほとんど全員が初めての出演で、リハーサルに時間的制約のある中でどこまで作品の意図を伝える事ができるか心配でしたが、意欲的に作品に取り組んでくださった出演者、バレエマスターの佐々木大さん、バレエミストレスの原美香さんの努力のおかげで私たちは本番の出来上がりにたいへん満足して喜んでおります。ありがとうございました。
指揮者の井田先生とも2回目の「卒業舞踏会」でしたが、楽しんで演奏して下さり 『これからもどんどん上演したい作品ですね!』と言っていただきました。
「ラ・シルフィード」と「卒業舞踏会」のこの公演を見に来てくださった観客の皆様はきっと満足して帰途につかれた事と思います。
この公演に携わってくださった関西支部の役員の方々、出演者の方に、再度この機会を与えていただいたことに心から御礼申し上げます。本当にありがとうございました‼

【 振付 法村圭緒 】
今回の第52回バレエ芸術劇場では、「ラ・シルフィード」の振付を担当させていただきました。
まずは、ご協力いただきました役員の先生方、指揮者の井田先生と関西フィルハーモニー管弦楽団の皆様、バレエミストレスや多くのスタッフの方々、そしてダンサーの皆様、すべての方に深く感謝申し上げます。
この作品の特徴でもある、地域の伝統や風土を表した踊りですが、最大の難所とも言える第1幕のリールの踊りは本当に苦労しました。列の並びや音楽に合わせることはもちろん、身体や脚の角度、顔の向きなど決めごとが多かったのですが、数少ないリハーサルの中でダンサーは一つ一つの課題をクリアにしていき、本番では見事な踊りを披露してくださいました。第2幕の妖精の皆さんも、リハーサルの前後には必ず集まって綿密な打ち合わせをし、舞台にはなくてはならないコール・ド・バレエとしての責任を全うして下さいました。そして、素晴らしい演技を見せていただいたソリストの皆様。技術はもちろん一人一人が「俳優」となり、バレエという物語の中で生きるというその姿はまさに、舞台芸術としてあるべき姿ではないでしょうか。私も微力ながらマッジ役として参加させていただきましたが、皆様との掛け合いは楽しく、役者としての幸せを感じておりました。皆様の力を一つにして作品を創り上げるという意味では、たいへん意義のある舞台であったと思います。
「皆様が舞台に出演していただくことが宝物」
終演後に樫野支部長がおっしゃっていました。
これからも皆様には勇気を持って参加していただき、この芸術劇場が更に多くのバレエファンに愛されるコンテンツとして継続できますよう、私もお手伝いすることが出来ればこの上ない幸せです。

【 シルフィード 荻野あゆ子 】
◆1. オーディションを受ける動機(きっかけ)は?
芸術劇場には過去に2回出演させていただいたことがあり、いつかまたこの舞台に出演したいと強く思っていました。フェスティバルホールでオーケストラの生演奏と共に舞台で踊れる事は本当に夢のような機会で、今回「ラ・シルフィード」と「卒業舞踏会」という素敵な2作品にも魅力を感じオーディションを受けました。
◆2. リハーサルの印象
マイムの意味や身体の使い方、足先から指先までの表現などとても丁寧に細かくご指導いただきました。 普段はご一緒できないバレエ協会の先生方にご指導いただけてとても勉強になり、さらに新国立劇場の奥村康祐さんとご一緒させていただけたことも本当に光栄でした。作品をもっと良くしていくにはどうしたらいいかなど、コミュニケーションを取ってくださったりリハーサルの時からダンサーとして色々なことを勉強させていただきました。
◆3. リハーサルで苦労した点
人間ではなく、妖精であるシルフィードをどうしたら表現できるかがとても難しかったです。
人間界の登場人物と妖精シルフィードとの違いが伝わるように手の使い方や上体の使い方、ジャンプの仕方、ふとした仕草など全てにおいて妖精らしさをどのように表現できるかとても研究しました。
妖精のシルフィードだからこその性格や感情表現はもちろん、シルフィードはどういう妖精か自分なりに沢山向き合いました。そして向き合っていく中でどんどんシルフィードの魅力に惹かれていきました。
◆4. 出演後の感想をお聞かせください
今回この作品に携われたことを心から光栄に思います。 私自身課題はまだまだ多くありますが、今後更なる高みを目指し表現者として日々精進して参ります。
バレエ協会の先生方、舞台スタッフの皆様、指揮の井田先生とオーケストラの皆様、そしてダンサーの皆様、本当にたくさんの方々にお世話になりました。
心から感謝申し上げます。

【 ジェームズ 奥村康裕 】
◆1. リハーサルの印象
昨年も出演させていただきましたが、アットホームな雰囲気でいつも暖かく明るい空気がリハーサルの時から流れていました。
◆2. リハーサルで苦労した点
ジェームズの細かい役作りについてです。圭緒先生がここはこうして欲しい等、詳しく教えてくださったので、とてもやりやすかったです。
◆3. 出演後の感想をお聞かせください
関西のパワーを感じることが出来、たくさんの先輩や友人達と素晴らしい舞台を作ることができたと思います。とても良い経験、勉強になりました。

【 エフィ 吉村 茜 】
◆1. オーディションを受ける動機(きっかけ)は?
毎年、大きな劇場でオーケストラの生演奏によるグランドバレエを制作されているバレエ協会の舞台に、以前から関心を持っておりました。
子育てもあり、参加の機会がなかなかありませんでしたが「ラ・シルフィード」全幕という関西では稀有な演目に惹かれ、憧れの作品でもあったので今しかない!と思い、今回初めて思い切って選考会に参加しました。
◆2. リハーサルの印象
リハーサルを通して、マッジを演じられた圭緒先生が瞬時にどの役も体現されるお姿がとても印象的でした。メインキャストを含む出演者の皆さんが、どのような姿勢で作品や課題に向き合って本番に臨むのかを間近で見ることができ、とても新鮮で勉強になりました。
◆3. リハーサルで苦労した点
リハーサルで苦労したことはお芝居の部分で、「その瞬間にその場に存在すること」が思っていた以上に難しく、気持ちの在り方や自分の技術的な未熟さに向き合う時間になりました。
今回ジェームズを務められた奥村さんは、毎回違った表情で生き生きと役を演じておられて、そのお芝居から本当にたくさんのヒントと刺激をいただきました。
プロフェッショナルな方々と同じ空間でリハーサルをする中で、求められるレベルの高さを実感しましたし、その中でも引けを取らない存在になれるように努力を続けないと、と思っています。
◆4. 出演後の感想をお聞かせください
本番は純粋にとても楽しく幸せな時間でした! 今まで考え込んでいたことがなんだったんだろうと思うくらいです。
その時のその感情で、今自分にできることを精一杯出しました。 今回エフィという重要な役どころを任せていただき、とても嬉しく、光栄に思っております。
また、この舞台を通して出演者ひとりひとりの存在によって初めて作品の世界に立たせていただいているのだと、改めて実感しました。
この度は、日本バレエ協会関西支部の先生方をはじめご関係の皆さまに支えられ、一つの舞台を創り上げる一員となれたこと、貴重な機会をいただいたことに深く感謝しております。

【 グルーン 𠮷田 旭 】
◆1. リハーサルの印象
ダンサーにとって踊りに集中できる環境が整っていて毎回が有意義なリハーサルでした。
圭緒先生はじめ各先生方それぞれの観点からアドバイスが飛び交い、熱のこもった現場でした。
◆2. リハーサルで苦労した点
普段、耳にすることの少ない音楽に慣れ親しむまで随分、苦労しました。
同時にそのおかげで、より丁寧に作品に取り組めたとも実感しております。
◆3. 出演後の感想をお聞かせください
普段とはまた異なる顔ぶれと作品を作り上げていくことはいくつになっても貴重な学びの場。
上演回数の少ない作品に携われたことにも感謝です。

【 即興第一ソロ 佐々木夢奈 】
◆1. オーディションを受ける動機(きっかけ)は?
D.リシーン&D.ロング版の「卒業舞踏会」は所属する佐々木美智子バレエ団でかなり前に何度か上演したことがありました。その頃、私はまだ子どもだったのですが、とってもわくわくする作品で、いつか踊りたいと思っていて。
現在はあまり上演される機会が少ない点と、早川惠美子先生を振付指導としてお招きしている点も大きく、今回オーディションを受けることに決めました。
即興第一ソロはダンサー人生のなかで一度は踊ってみたい!と子どもの頃から憧れていたお役だったので、今回踊らせていただけることになり、とても嬉しかったです。
◆2. リハーサルの印象
東京からお越しくださった早川惠美子先生と竹内祥世先生によるスピーディーかつ的確な振付指導から始まり、普段のリハーサルもバレエマスターの佐々木大さん、バレエミストレスの原美香さんを筆頭にリハーサル前のウォームアップから熱量の高い時間で、かなり早い段階からダンサーたちの団結力と士気が上がっていることを感じられた、とても幸せなリハーサル期間でした。
出演ダンサー同士も世代は幅広くも和気藹々としており、リハーサル中も良い意味で賑やかで、「卒業舞踏会」という明るい作品にもその空気感がマッチしていたように思います。
また先生方の”作品をあるべき姿で継承してゆく”という、作品へのリスペクトの姿勢が、教わる側の私達にも伝わりました。また、そのために限られた時間の中でいかに密度高くリハーサルするかという所からも、学ばせていただいたことが沢山ありました。
◆3. リハーサルで苦労した点
「卒業舞踏会」のご指導のなかで大切にされていたことが”楽しいお芝居ではあるが、あくまでも上流階級に育った生徒たち”であるということ。
第一即興ソロは特に、そのコミカルなお芝居やお調子者な役柄が印象的ですが、そのなかでも芯に品を失わないことが難しいポイントでした。
私の場合、役柄のイメージより身長も高めなので、客観的にどう見えるかという点で試行錯誤しました。
踊りの振付だけでなく、お芝居にも必ずやらなければならない内容や音楽のタイミングが指定されている所が沢山あり、それぞれの芝居と踊りのやり取りが絶妙に繋がるように出来ていて。
またその”決まり事”がただ振付をこなしているように見えてしまわないよう、個々の流れを把握出来ている必要があるため、考えずに演じられるようになるまで大変でした。
◆4. 出演後の感想をお聞かせください
本番は本当に”あっ!”という間に終わってしまいました!
劇場に入ってから、距離感が変わったり、オーケストラの演奏になり、本番用の大きな椅子になり、おさげのかつらも装着していただき……と、ギリギリでないと調整出来ない事はやはり多く(それはどの舞台でもそうです)、心配なところもありましたが、本番が始まったら何よりも”楽しい”が勝ちました。
今回ご一緒させていただいた先生方&ダンサーたちと協力して積み上げた時間のお陰で、お互いの熱い信頼と、この作品が素敵なものになる手応えがありました。加えてフェスティバルホールという空間とオーケストラの素敵な演奏、温かいお客様たちとともに、「卒業舞踏会」の世界にどっぷりと浸れたような感覚で、その場に居られることが本当に幸せでした。
最前線でダンサーたちを引っ張ってくれながらも、ギリギリで負傷離脱となってしまった大さんも奇跡的に早期退院し、「卒業舞踏会」メンバーみんなで本番を迎え、そして無事終える事が出来て、本当に良かったです。
会場へお越しくださった皆様、ご指導くださった先生方、そしてスタッフ・出演者の皆様、沢山の方の支えとご協力のもと、今回の公演を無事終えられました。お陰様で第一即興ソロを心の底から楽しんで踊ることが出来ました。
本当にありがとうございました! 今回学んだことや新しく開けた感覚を大切に、今後もより一層精進いたします!

【 即興第二ソロ 水本千晶 】
◆1. オーディションを受ける動機(きっかけ)は?
『卒業舞踏会』は、バリエーションがコンクールでよく踊られていることもあり、以前から作品名は知っていましたが、全幕作品として触れる機会はこれまでありませんでした。どのような作品なのかを実際に体感してみたいと思い、応募しました。
◆2. リハーサルの印象
早川先生をはじめ、バレエミストレスの先生方は、細かな部分にまで常に目を配ってくださり、舞台全体を通してマイム一つ一つの動作が客席からどのように見えるかなど、惜しみなくご指導くださいました。
出演者の皆さんとのリハーサルでは、踊ることにしっかり集中しつつ、男女問わず和気あいあいとした雰囲気でした。全員で踊る場面も多く、出演者同士で話し合いながら作品を作り上げていけたことも印象に残っています。毎回とても良い空気感の中でリハーサルに臨むことができました。
◆3. リハーサルで苦労した点
『卒業舞踏会』では、一つの場面の中で二つ、三つの出来事が同時に描かれることが多く、音のタイミングや立ち位置なども細かく決まっていました。その決められた中で、振付として見えすぎないよう、自然に表現することが難しかったです。
また、役作りには苦労しました。優等生という役柄から、きちんとした雰囲気を表現することも必要だったので、普段柔らかく踊ってしまいがちな自分の癖を意識的に抑えるよう心がけました。踊りだけでなく、マイムもふんわりしすぎないように意識しました。
◆4. 出演後の感想をお聞かせください。 本番は作品自体が短いこともあり、本当にあっという間に感じました。踊りの出来に反省点はありますが、役になりきれた感触があり、皆で一つの作品を作り上げたという達成感がとても大きかったです。
普段なかなか触れることのできない作品に携われたこと、そしてこの作品を通して学んだことを、これからのバレエ人生に活かしていきたいと思います。

【 女学院長 山本隆之 】
◆1. リハーサルの印象
代役なので途中から参加しましたが、ダンサー・バレエミストレスの皆さんのお陰で違和感なく溶け込めました。
◆2. リハーサルで苦労した点
急遽入ったので振りは先に覚えましたが、細かい振付の意図や感情表現は本番直前に教えてもらいました。
◆3. 出演後の感想をお聞かせください
何とか無事に務めることができてホッとしています。

【 老将軍 山本庸督 】
◆1. リハーサルの印象
今回の公演では振付指導・演出に東京から、早川惠美子先生、そしてバレエミストレスに竹内祥世先生が来られてのリハーサルでした。ダンサー達が先生方と日程が合わない時は、原美香さん・佐々木大さん・山口章さんの指導の元、決まり事の確認等リハーサルを重ねて、早川先生・竹内先生が来られる1つ1つのリハーサルを大切に皆が挑んでいたと感じております。
◆2. リハーサルで苦労した点
苦労した点では、自由にやっているイメージの、私が演じた老将軍、そして今回佐々木大さんが怪我の為に代役で来て頂いた、山本隆之さん演じる女学院長、この二役は、想像していたよりも遥かに多くの音キッカケや、動きマイム身体の方向、使い方等の演出指定が多かった事です。
どの様に演出家のイメージに沿ったキャラクターを創っていこうかと悩みながらリハーサルをしておりました。
◆3. 出演後の感想をお聞かせください
公演自体も大きな問題も起こらず、無事に終演でき。見に来て頂いた皆様にも、楽しかった良い舞台だったと沢山の感想を頂きました。
本番は自分なりの解釈も含め、老将軍を楽しく演じさせて頂きました。
本番後には、早川先生・竹内先生から、「私達がやって欲しい老将軍像を演じてくれて有難う‼︎とても素敵だった。」と仰って頂き、とても嬉しく思いました。
関係者の皆様、良い機会を頂き有難うございました‼︎ 今回もとても楽しかったです‼︎

【 鼓手 末原雅広 】
◆1. リハーサルの印象
振付の早川先生はもちろん、バレエミストレス、バレエマスターの先生方皆様が毎回のリハーサルにすごく熱量をもって指導して下さる姿がとても印象的でした。
それにしっかり応えようとするダンサー皆の姿を見て僕も自分の役目を頑張ろうと毎回のリハーサルが楽しみでした。
◆2. リハーサルで苦労した点
鼓手のバリエーションはバレエの技術的にすごくハードでした!
ですがそれよりも大変だったのがドラムスティックの扱いですね。
リハーサルの時間のほとんどはスティックを回してました。
◆3. 出演後の感想をお聞かせください
自分の中で本番では上手くいかず悔しかった部分もあるのですが楽しんで踊ることが出来ました!
今回も出演させて頂き沢山学ばせて頂きました。
色んな作品に出会えるバレエ芸術劇場に感謝です。
ありがとうございました。

撮影:テス大阪
アンケートにご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
最後にリハーサル風景の写真を掲載いたします。
どうぞお楽しみください。
取材:塚本 千里






リハーサル風景撮影:法村圭緒











