バレリーナである前に、すてきなレディでありますように!Vol.30
ライモンダ
関西支部は2024年10月5日第3回アートメッセージ公演に「ライモンダ」を取り上げます。
作曲家アレクサンドル・グラズノフの初のバレエ作品、ロシア古典バレエの巨匠マリウス・プティパにとっては最後の大作となった3幕の作品。
初演は1989年1月ペテルブルグ マリインスキー劇場です。
13世紀のフランスのプロヴァンス地方を舞台に、十字軍の騎士ジャン・ド・ブリエンヌとライモンダ嬢のロマンスをテーマに、サラセン騎士のアブデラクマンが横恋慕し決闘の末、ジャンがライモンダと結ばれるというお話。
舞台はフランス中世のお城、アブデラクマンの登場でアラブの異国情緒、ハンガリー国王が立ち会う結婚式はハンガリー風のディベルティスマンが繰り広げられ、踊り、音楽、背景、衣裳にそれぞれのお国の様式美が見られる豪華なもの。
初演後はK.セルゲーエフ版(1948年)、ラブロフスキー版(1949年)、グリゴローヴィチ版(1984年)と数々の振付家が手を加えてきました。
特筆すべきはバレエ作品での男性地位向上に貢献した、ルドルフ・ヌレーエフがパリ・オペラ座ディレクター就任後初の作品に取り上げ、当時、数いるエトワールたちの活躍の場をふんだんに盛り込んだ豪華版を上演したことです。
日本での全幕初演は1979年牧阿佐美バレエ団がテリー・ウェストモーランド振付(マリウス・プティパによる)で上演。
新国立劇場は2004年に牧阿佐美演出振付で上演しています。
関西支部は1995年K.セルゲーエフ版で初演。
ワガノワ・アカデミーからキャラクターの指導を開始して初の舞台でもあり、
振付にエフゲニー・シャルパコフ氏、エレーナ・エフチェエワ女史、キャラクターの振付にアリサ・ストローガヤ女史が来日されての、手厚い指導を受けての上演でした。
来日のお二人とともに、振付に携われた田上世津子氏がアートメッセージ公演の演出振付にあたられます。
中世の重厚さゆえ、しっとりした印象がありますが、華やかな場面を選び、原点を守りながら、制作にあたられるとのこと。
わくわく期待感でいっぱいです。
この舞台に立ってみませんか?
参考文献:「バレエ誕生」 鈴木晶 (新書館)
パリ・オペラ座へようこそ 渡辺真弓 (青林堂)
名作バレエ70鑑賞入門 渡辺真弓 (世界文化社)
筆者 小西 裕紀子
※『バレリーナである前に、すてきなレディでありますように』は
協会員、また、その生徒の皆様が、すてきな(女性)レディ、(男性)ジェントルマンと周りから認められるような振る舞いや情報を、様々な角度からご紹介するコーナーです。